織田信長が築城した安土城(滋賀県近江八幡市)は本能寺の変の後、焼失してしまいました。
現在は城跡だけが残っています。
安土城は敵の襲来を防ぐという防御目的の城から豪華な天主を持つ城へと変貌した城だと言われています。
ちなみに通常は「天守」と書きますが、安土城の場合は「天主」と書きます
安土城跡の現在の様子や子どもや高齢者でも天主跡まで登れるのかどうか…についてご紹介します。
安土城跡の全体像

安土城は滋賀県近江八幡市安土町にありました。
安土城は地下1階、地上6階建ての大きな城で、それまでの城の常識をくつがえすような豪華絢爛な天主を持っていました。
琵琶湖に近い安土山(標高198m)全体に、信長が約3年かけて築城したと言われています。
天主からは琵琶湖が見渡せました。
安土城跡の現在の様子
上の画像は再現模型で、現在の安土城は石垣や石段などの城跡だけが残っている「城跡」です。
石段

安土城跡の入り口を入ると、すぐに石段があります。
天主跡まではこの石段を上がっていきます。

入り口の説明によると、上までの石段は全部で405段あるということです。
羽柴秀吉邸

大手道と呼ばれる石段を上がっていくと、左手側に羽柴秀吉邸の跡があります。
ここは基礎の石だけが残っています。

近くには縄張りの図や説明文が掲示されています。
徳川家康邸跡(摠見寺)

石段をさらに少し上がると右手側に信長が建立した摠見寺(そうけんじ)の仮本堂があります。
ここは徳川家康屋敷跡と言われるところで、もともとの本堂は焼失してしまいました。
織田信忠邸の跡
信長の長男・織田信忠邸跡の碑があります。

建物は何も残っていません。
このあたりに住んでいたのかな・・・と思いを馳せるだけですね。
天主・本丸跡

「天主・本丸跡に至る」と記した案内板があるので、そのまま進みます。
広い本丸跡にも建物の基礎の石があります。

さらに「天主跡」という案内があるので、最後の石段を上ると天主があった場所に出ます。

ここが頂上です。

琵琶湖や安土の城下が一望できる見晴らしのいい場所です。
石仏と仏足石
幾重にも曲がる石段を上がっていくと、ところどころに「石仏」があります。

これは城普請の際に使用された石の中に、各地の石仏や墓石を用いたものと考えられています。
築城の様子を残すためにあえてそのまま保存しているということです。

石段を上がる途中で「仏足石」という大きな石があります。この石には大きな足跡が彫られています。
これはお釈迦様の足跡を表現したものだそうです。
日本では薬師寺(奈良県)にも仏足石があり、わが国最古のものと言われています。
安土城跡にある仏足石は築城の際に石垣の一部として使用されたものではないかと言われています。
仁王門

天主跡まで行くとあとは下りるのみですが、もと来た道を下りる方法と摠見寺の三重の塔や仁王門を見ながら帰る道の2通りがあります。
仁王門からはちょっと険しい山道ですが、女性の私でも十分に行けるので大丈夫です。
三重の塔や仁王門は重要文化財なので、ぜひ見学してみてください。
安土城跡の散策にかかる時間
安土城跡の天主跡まで行くには石段を上がるしか方法がありません。
自動車で道路が作られているということはないので、少しずつ登っていきましょう。
足腰に不安がある方は入り口で杖を貸してくれます。
子どもや高齢者でも上がれる?
小学生や幼稚園児のお子様でも上まで上がることは可能です。
高齢者の方でもたくさん登っておられました。
入口から天主跡までは30分くらいなので、往復で1時間ほどです
足に自信がない方はもう少し時間を見ておくといいですね。
ただ平坦な部分は少ないので、車イスやベビーカーでは難しいと思います。
安土城跡のトイレ
入口を入るとトイレはありません。
駐車場近くにある案内所のトイレを事前に利用してください。
安土城跡の概要
- 住所:滋賀県近江八幡市安土城下豊浦6371
- 電話番号:0748-46-6594
- 休業日:なし(年中無休)
- 受付時間:8:30~17:00(入場の最終受付は16:00)
- 入場料:大人700円 子ども(高校生以下 200円)
- 総見寺特別拝観:8:30~15:00
安土城跡への行き方
安土城跡にある総見寺への行き方をご紹介します。
電車で行く場合
まずJR琵琶湖線で「安土駅」まで行きます。
安土駅は新快速は止まりません。普通に乗ってくださいね。
安土駅から安土城跡方面へのバスは1日に5便しか出ていません
とても不便なので、ここからタクシー(約7~8分、料金は900円~1000円ほど)を使うか、レンタサイクルを使う方法がおすすめです。
レンタサイクルは安土駅で貸し出しています。1時間200円~です。
なお、安土駅から安土城跡まで歩いて行けないことはありませんが、かなり距離があります。
また、安土城跡に登るのも大変なので、現地まではタクシーかレンタサイクルを利用されるのがいいでしょう。
自動車で行く場合
自動車で行く場合は名神高速道路の八日市ICからは約25分、竜王ICは約35分、蒲生スマートICからは約20分で着きます。

県道2号線を走っていくと、「安土城址前」という信号があるので、そこを入っていくと安土城址に着きます。

道路沿いに「安土城址」という碑があるので、すぐにわかりますよ。

駐車場は無料で、たくさん停められます。
まとめ
この記事では、織田信長が築城した安土城の現在の様子や場所、散策の所要時間などについてご紹介しました。
豪華絢爛だった安土城ですが、現在は石垣や石段だけが残る城跡になっています。
天主があった登場までは約30分ほどなので、下山するまで約1時間ほどで行けます。
ゆっくり散策して、華やかだった安土城に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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